結節性硬化症にかかわる医療制度活用ガイド

2015年7月現在

医療費助成制度や福祉制度の手続きはお済みですか?

結節性硬化症は指定難病のため、認定を受けることで医療費の助成を受けることができます。また、症状によって、自治体独自の医療費助成制度や福祉制度による支援を受けることができます。

※結節性硬化症は2015年7月より指定難病(重症度による制限あり)となりました。

ここで紹介している各助成制度は症状や所得状況によって受けられるものが異なります。
まずは、医療施設、自治体の関連窓口、保健所など、専門の担当者とよく相談し、
必要な手続きを行いましょう。

○指定難病、小児慢性特定疾病

結節性硬化症の患者さんは指定難病においても医療費助成を受けることができます

2015年1月から指定難病、小児慢性特定疾病に関する法律が新たに施行され、7月より「結節性硬化症」が医療費助成の対象となりました。保健所などの申請窓口やホームページで申請書類を入手し、医療機関で作成した書類とともに、お住まいの地域の保健所に申請をすることにより、指定医療機関を受診した際の月々の医療費に対し、助成を受けることができます。

指定難病の医療費助成では、医療費の自己負担額が3割から2割に引き下げられます。
また、年収にあわせて月々の自己負担額の上限が下記のように設定されます。

階層区分 階層区分の市町村民税基準

(( )内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安)

患者負担割合:2割
自己負担額上限額(外来+入院)
一般 高額かつ長期
  人工
呼吸器等
装着者
生活保護 0円 0円 0円
低所得Ⅰ 非課税(世帯) 本人年収~80万円 2,500円 2,500円 1,000円
低所得Ⅱ 本人年収80万円超~ 5,000円 5,000円
一般所得Ⅰ 7.1万円未満(約160万円~約370万円) 10,000円 5,000円
一般所得Ⅱ 7.1万円以上25.1万円未満(約370万円~約810万円) 20,000円 10,000円
上位所得 25.1万円以上(約810万円~) 30,000円 20,000円
入院時の食費 全額自己負担

※「高額かつ長期」とは、月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年6回以上ある方
 (たとえば2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が6回以上)が該当します。

小児慢性特定疾病対象の方は上記の上限額が半分となります。

詳細につきましては保健所窓口または政府広報などで最新情報をご確認ください

重症度により、助成の対象が選択されます

結節性硬化症の医療費助成については、下記の重症度分類で、グレード3が1項目またはグレード2が2項目以上の患者さんが対象となります。

症状 / グレード 0 1 2 3
神経症状 上衣下結節(SEN)、上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA) なし SENあり SEGAあり(単発かつ径1cm未満) SEGAあり(多発または径1cm以上)
てんかん なし あり(経過観察) あり(抗てんかん薬内服治療) あり(注射、食事、手術療法)
知的障害 なし 境界知能 軽度~中等度 重度~最重度
自閉症・発達障害 なし ボーダー 軽度~中等度 重度~最重度
皮膚症状 顔面血管線維腫 なし 皮膚症状はあるが社会生活が可能 社会生活に支障をきたす(治療が必要) 社会生活に著しい支障をきたす(治療が必要)
爪囲線維腫
シャーグリン
白斑
心症状 心横紋筋腫 なし あり(経過観察) あり(心臓脈管薬内服治療) あり(注射、カテーテル、手術療法)
腎血管筋脂肪腫 なし あり(単発かつ径3cm未満) あり(多発または径3cm以上) あり(多発または径3cm以上で、過去1年以内に破裂や出血の既往がある。)
腎嚢胞 あり(治療の必要なし) あり(多発または治療の必要あり)  
腎悪性腫瘍 なし     あり
肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM) なし 検査で病変は認めるが、自覚症状がなく、進行がないもしくはきわめてゆっくりである。(経過観察) 自覚症状があり治療が必要(酸素療法、ホルモン薬・抗腫瘍薬内服療法) 自覚症状があり、肺移植などの外科的治療が必要
多発性小結節性肺細胞過形成(MMPH) なし あり    
その他 肺外LAM なし あり(経過観察) あり(治療が必要) あり(治療に抵抗性)
肝臓、卵巣などの腎以外の臓器の嚢腫、血管周囲類上皮細胞腫瘍(PEComa) なし あり(経過観察) あり(治療が必要) 悪性化
眼底の過誤腫 なし あり(経過観察) あり(治療が必要) 機能障害を残す
歯のエナメルピッティング なし あり(経過観察)   あり(治療が必要)、機能障害を残す
  • 病名診断に用いる臨床症状、検査所見などに関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状などであって、確認可能なものに限る)。
  • 治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理のもとで治療が行われている状態で、直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。
  • なお、症状の程度が上記の重症度分類などで一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要な者については、医療費助成の対象とする。

各症状の詳しい情報については、
・結節性硬化症のひろば(URL:http://www.tsc-info.jp/condition/index.html
・難病情報センターホームページ(URL:http://www.nanbyou.or.jp/
などをご参照ください。

○その他の制度

医療費に関する制度

自治体独自の助成制度や、支払った医療費が高額の場合に戻ってくる高額療養費制度などがあります。

制度名 対  象 所得による
受給の制限
所得による
支援額の上限

申請先

有効期間
都道府県単独事業(難病、ひとり親、子ども医療費助成など) 自治体によって異なる

※自治体によっては、難病として母斑病(結節性硬化症含)があります

自治体による 自治体による お住まいの自治体
の担当窓口
重度心身障害者医療費助成 身体障害者手帳1~3級、療育手帳A・B など あり 自治体による

お住まいの自治体
の障害福祉担当課

10/1~翌9/30
障害者医療費助成 身体障害者手帳1~3級、療育手帳Aなど あり 自治体による お住まいの自治体の担当窓口







精神通院 精神疾患を有する人 あり あり
更生 18歳以上で
身体障害者手帳のある人
あり あり
育成 18歳未満で
主に身体障害のある人
あり あり お住まいの自治体の保健所
高額療養費 健康保険加入者 なし あり 各健康保険組合の担当窓口
社会福祉制度

電車やバスの割引、所得税の軽減、特別手当・年金などが支給される場合があります。

○精神障害者保健福祉手帳
精神障害のため、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方が対象になります。
各自治体担当窓口に申請します。

○療育手帳
自治体により名称が異なります。知的障害のある方が対象になります。18歳未満の方は児童相談所に、18歳以上の方は知的障害者更生相談所などの施設に申請します。

○身体障害者手帳
身体障害者等級表1~6級の障害がある方が対象になります。各自治体担当窓口に申請します。

これらの制度は重複して助成を受けることができる場合がありますので、まずは、医療施設の社会福祉士などの専門家に相談してみましょう。

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